おはようございます。0510です。
平均的な人間の適切な睡眠時間は概ね7時間前後になる事がわかっているそうです。
適切な睡眠時間より少ない日、つまり慢性的睡眠不足が続くと脳にダメージが残り回復しない事もわかってきたようですね。
さらに面白いのが適切な睡眠時間より多く睡眠を取り続けた場合、これも睡眠不足と同じ影響を脳に与えていたとの事。
寝すぎてもダメって事です。
私は以前、超絶なブラック企業に勤めていた経験があるのですが、その仕事では睡眠時間が2時間とか3時間切る日もありました。
いい歳して完徹とかしてましたからね。(笑)
ブラック企業の話とは別になりますが、トレードを毎日勉強してた時は仕事終わってから睡眠時間を削って勉強してました。
その時も睡眠時間は約3時間。
もう、二度とあんな働き方も勉強の仕方もしないと思いますが・・・。
最近は、その反動か?リモートワークだし仕事の残業も極端に多くはありません。
なので1日10時間以上寝てしまう事もあったりします。
これはこれで脳に悪影響を与えている可能性大ですね。
ロングスリーパーと呼ばれる1日の必要睡眠時間が10時間~12時間くらいの人は例外だそうですが、これらに該当する人は全体の約2割程度。
アルバート・アインシュタインは典型的なロングスリーパーとして知られていて、1日に12時間程度眠っていたそうです。
私の場合は、環境がどうであれ睡眠をうまくコントロールできない人間のようです。
少しずつでいいから変えていかなきゃね。
なぜ相場では9割の人が損して終わるのか?
さて、本日の本題ですが相場でお金を増やし続ける事ができるのは参加者全体の約1割に満たないと言われています。
なぜ、こんな状況になるのでしょうか?
相場の場合、宝くじなどと違い上がるか?下がるか?の2パターンしかありません。
適当にポジションを持ったとしても的中率は50%です。
9割の人が負けるのは数学的には不自然な気がしませんか?
これには人間の心理が深く影響しているのだと私は考えています。
あなたは行動経済学という言葉をご存じでしょうか?
かつて経済学は人間は合理的な判断によって意思決定されるものだと考えられていました。
例えば、「100円で仕入れたリンゴを99円以下で売る人は通常はいない。」という事です。
しかし、これらの考えを否定する人が現れました。
後にノーベル経済学賞を与えられる事になる、ダニエル・カーネマンです。
カーネマンは人間の心理面に着目して、人間はどのように意思決定をし、そして行動するのか?
なぜ人間は非合理的な行動をする時があるのか?
100円で仕入れたリンゴを99円以下で売る人が大量発生するのは、どんな時か?って話です。
あなたもプロスペクト理論という言葉は耳にした事があるでしょう。
FXでは、よくプロスペクト理論について話す人が多いからです。
このプロスペクト理論の基になっているのが行動経済学なんですね。
プロスペクト理論の代表的な考え方には以下のものがあります。
①損失回避性
②参照点依存性
③感応度逓減性
①損失回避性
損失回避性というのは、損失に対して過剰に反応したり、不必要に保守的になるったり、損失に対して極度の恐怖心を抱くなどがあげられています。
これはプロスペクト理論で、最も有名な部分と言ってもいいでしょう。
では、あなたに質問です。
あなたは次のうちどちらかを必ず選択しなければならないと仮定した場合、どちらを選択しますか?
質問1
(A) 80%の確率で10,000円がもらえるが、20%の確率で20,000円損します。
(B)100% 3,000円がもらえます。
次の質問です。
質問2
(A) 80%の確率で10,000円損しますが、20%の確率で20,000円がもらえます。
(B)100% 3,000円損します。
あなたは質問1と質問2で、どちらを選択しましたか?
これには統計が出ていまして、多くの人に質問をすると質問1と似たような問題を出すと約80%の人が(B)を選択する事がわかっています。
質問2と似たような問題では、(A)を選択する人が約80%である事がわかっています。
鋭い方はお気づきでしょうが、実はこれは同じ確率で利益が出るパターンと損が出るパターンにわけて質問しているだけです。
質問1では、勝つ確率が高いものの損失が出る可能性もあります。
ここは確実に利益を得られる(B)100% 3,000円がもらえます。を選択しておこうと考える人が多いのです。
質問2では、(A) 80%の確率で10,000円損しますが、20%の確率で20,000円がもらえます。を選択する人が多いのです。
なぜでしょうか?
仮に(B)を選択すると少ないですが確実に損失が発生します。
しかし、(A)を選択すれば、もしかすると20,000円が手に入るかも知れません。
そうであれば、確実に損する選択よりも確率は低くても利益が出る可能性がある方を選択した方が自分にとってプラスだと考える人が多いという事を証明しています。
ですが、これらを期待値の観点から見ると、多数派の意見は経済的合理性に反している事がわかります。
質問1の場合(A)の期待値を計算すると
(10,000 × 80%) + (-20,000 × 20%) = 4,000
になり、このパターンは繰り返せば繰り返すほど、4,000円の収益が出る確率に近づいていく事がわかります。
対して(B)では確実に3,000円を失うので合理性のある判断は(A)という事になります。
質問2で同じ事を考えてみましょう。
(-10,000 × 80%) + (20,000 × 20%) = -4,000
プラスとマイナスがひっくり返っているだけなので、このパターンは繰り返せば繰り返すほど、4,000円の損失が出るという確率に近づいていきます。
対して(B)では確実に-3,000円を失うので合理性のある判断は(B)という事になるわけです。
でも、たった1回じゃ、どっちが出るかなんてわからないよね!
って考えてしまうのが大多数だという話です。
また、損失回避性ではもっと重要な事にもふれています。
人間は損失と利益を同じように数字の違いだと考える事ができません。
例えば、50,000円のお金を手に入れた喜びと、50,000円を失った時の苦痛をイメージしてください。
数字上は確かにプラスマイナスが違うだけなのですが、50,000円を失った時の苦痛の方が得た喜びよりも大きく感じる性質があるという事です。
②参照点依存性
参照点とは、言い換えれば見ているポイントの事です。
簡単な例をあげましょう。
全く同じ商品でも
1.定価50,000円が25,000円でセール中!
2.定価150,000円が25,000円でセール中!
こう書くと2の方が売れやすくなる傾向があります。
実は人間はモノの本質的な価値や必要性、現在の自分の経済状況などを合理的に判断するのが非常に苦手な動物なのです。
あなたの年収を考えた場合、日本人の平均年収よりも上か?下か?で判断した経験はありませんか?
平均よりも上だったら安心し、平均より下だったら不安になる。
こんな事を考えている人がすごく多いのです。
何かを判断する時に材料を求め、基準を決めて、その基準に対してどれくらいの距離があるのか?という流れで判断します。
この思考が必ずしも合理的だとは言えない場面が多々あるという事を覚えておきましょう。
ドル円が1日で400pips下落したら安いのでしょうか?
③感応度逓減性
扱う金額が大きくなる事で、損失や利益のインパクトが減少するいう心理状態の事を指しています。
これはよく住宅や自動車など高額な商品の営業などの販売テクニックとして使われているケースが多いです。
仮に月給30万円の人がいたとします。
その人が300万円の新車を購入する決定をしました。
すると営業マンから「最新式のカーナビなのですが、新車を購入された方には割引が適用されまして、15万円でお買い求めいただけます。」と勧められました。
「5年ローンで購入されているので、月々の支払が2,500円増えるだけです。」
こんな言葉を聞くと、大した差ではないと考えてしまう人が少なくありません。
これは営業マンが車という高額商品を餌にして意図的に金額のインパクトを減少していると知った上で販売してきているからです。
300万円の車を買うからと言って15万円の価値が変わるわけではありませんが、高額な商品を買う場面などではオプションなどが驚くほど売りやすくなるのです。
平日のランチに1,000円以上使うのを悩むのに、5年間も毎月の支払が2,500円も増えるのは安い金額ではないはずですよね?
まとめ
今日はダニエル・カーネマンの提唱する行動経済額のプロスペクト理論を持ち出して、相場で大多数の人が損して終わる理由を考えてみました。
人間は物事を合理的に判断する事が難しい生き物です。
これは実際にトレードしてみると何度も感じる事なのですが、理屈で理解しても心理的な抵抗があるという事です。
多くの人は損失を出し続けるべくして出し続けます。
知らず知らずのうちに自ら損するような方向へ進んでいるのです。
多くの人たちは相場が難しくて、その相場の難しさが損失を出し続ける原因だと勘違いしています。
しかし、本当は間違っていて、自ら損をするように行動しているのは、あなた自身なのです。
これを知っていても大変なのですから、これらの知識や理解がなければ苦労するのは当然です。
今は行動経済学はかなりポピュラーになっているので、勉強材料は山のようにあります。
予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」
相場の書籍を読むのが一段落したら、行動経済学の本を何か1つ手に取ってみる事をおすすめします。
人間がいかに非合理的が行動をしているか?という理解が深まるはずです。
相場で勝ち続けるには、そういった思考が必要不可欠ですので。